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「双子の赤字」とは何?

◆ 双子の正体は何? ◆

双子の赤字
米国の「双子の赤字」といえば、主にドル安材料として浮上する言葉です。
双子の赤字とは、米国政府の「財政赤字」と「貿易赤字」を指します。
財政赤字とは、財政収支における赤字のことです。
財政収支とは、国の収入(歳入)から支出(歳出)を差し引いたものをいいます。
国の本来の収入としてほとんどが税金と考えてよいと思います。
支出は行政サービス、公共事業、年金・医療などの社会保障費、教育費、軍事費などです。
財政赤字とは、国に入ってくる税金よりも支出が上回っている状況をいいます。
そして赤字分は当面、国債等で補填し、将来の税金で穴埋めするという方法がとられています。
双子の赤字は、1980年代のレーガン政権下の政策(レーガノミックス)における減税や国防費の増大などが引き金になっています。
また赤字財政が高金利を招き、ドル高が進んだ結果、貿易赤字も拡大するという悪循環が生じました。
その後、クリントン政権の時代に一旦は立て直したのですが、ITバブルの崩壊や9・11テロを契機にブッシュ大統領が減税政策をとったために、再び財政赤字が膨らむこととなりました。
加えて、9・11テロの報復としてイラク攻撃を行ったことで軍事費が増大しました。
その後も報復の連鎖によりテロ懸念が払拭できないことから、国防費もなかなか削減できない状況です。
財政赤字削減案も出されてはいますが、実行はかなり難しいとの声もあるのが現状です。

◆ 貿易赤字が増加しても、景気が悪いとは限らない ◆

双子の赤字の片割れである貿易赤字は、貿易収支が赤字の状態であるということです。
貿易収支は、経常収支の一部で、輸出額(国内に入ってきた金額)から輸入額(国外に出て行った金額)を差し引いたものです。
双子の赤字は、いつもは潜水艦のように底の方に潜っていて、ドル高が続いた後や米経済指標の不振が続くなど何かのきっかけで浮上してきます。
時には何かの脈絡もなく登場することもあるので「ドル売りの口実」として使われているに過ぎないとする市場関係者もいます。
ドルが世界の基軸通貨(キーカレンシー)であるため、米国の貿易赤字増加のニュースが出ても、市場の反応が薄い場合があります。
なぜなら、赤字が大きくなっても、国際取引では、支払いにドルが使用されることが多いため、結局はドルが必要になると見られているからです。
また、輸入額が増えているということは、国内の需要が旺盛であるという見方もできます。
だから、貿易赤字増加=米景気への懸念とは一概にはいえず、市場が反応しないこともあるのです。

CHECK POINT

レーガノミックス
1980年代前半のレーガン政権初期の経済政策。レーガンとエコノミックスからなる言葉。
大幅な減税、産業界への規制緩和、軍事支出の増加などの政策がとられました。

ドル売りの口実
ドルのロングポジションが積み上がったときなど、特にドルを売る材料がない時に登場する「ドル売りのきっかけ」のこと。
双子の赤字や金利動向等が口実になることが多い。

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